📘「限界突破」という言葉を言い換えるなら、どんな言葉になるでしょうか。「枠をこえる」「殻を破る」「安全圏を出る」など様々かもしれません。限界を超える必要性なんて今は全然ないです、という方は、安定した環境なのかもしれませんね。

また、密かに個人的に挑戦したいことがあっても、無難さ安全さを選んで妥協の毎日を余儀なくされている場合も、あることでしょう。読んではいるいけど、でスキル実践までは気が進まない人もいると思います。

でも、心のどこかで自己変革や限界突破に少しでも期待を持っているとしたら、「ゴール到達をさえぎる思い込み」を、取り払う、という体験を一度はしてみましょう。思い込みとは、自分の心の中にあるもの。

何度も言いますが、ポジティブなゴールを決断することは、自分や、関わる人、社会に良い影響を与えます。良いことなのに、自分のゴールを持ってこなかった(持ててこなかった)理由があるとしたら、それを妨げる「思い込み」が存在しているはずです。

心の中に自分でつくってしまっている、制限や制約。

例えば、今のセルフイメージとはギャップの激しい、素晴らしい価値観/行動基準/人物像/ゴールなどを、たまたま見聞きした瞬間、あなたの心の中では、一体何が起こるでしょうか?

上には上がいるもので、スゴすぎる人には時々遭遇します。そんな人に会うと、起こるのは憧れや嫉妬心かもしれません。その場から逃げ出す人も、いるかもしれません。

注目すべきは、その瞬間の「心の中で反射的につぶやいてしまう口癖」。

思い浮かぶもので、どんな種類のネガティブな言葉があるでしょう?その他人に向けた悪口などではなく、「自分の、達成能力や行動への評価的言葉」のこと。クセになっているセルフトーク(内なる思考)の、何か典型があると思います。

思わず自動的に考えが浮かんでしまうようなフレーズで、例えば、
「自分にはできない/そんなの無理」
「してはいけない/それは良くないことだ」
「自分にはふさわしくない/関係ない」

などのような、否定的な表現ではないかと思います。「強い感情とともに、信じ込んでいる言葉/フレーズ」のこと。

要するに、ゴール設定や達成行動のネックになっている思い込みをスキル2で解消していくために、「思い込みと直結する言葉」を特定しながら、手順に入っていきます。

健全なゴール設定(決断)や、達成を阻んでいる思い込みの典型が、もしもあるとしたら、

《ゴールを阻む思い込み 例 》
「自分らしくあってはいけない/自分らしくいることはできない」
「人生を楽しんではいけない/人生を楽しむことはできない」
「自分で決めてはいけない/自分では決められない」
「変わってはいけない/変わることはできない」
「達成してはいけない/達成できない」
「成功してはいけない/できない」

などは、最低でも考えられるでしょう。ゴールを持つことや達成することを、禁止、制限している思い込みです。上記のような、達成に不利な思い込みがあるなら、刷り込みとしてゴール達成能力/行動を制限している可能性があります。上記は例で、実際の思い込みの中身/バリエーションは、ゴールの種類やその都度微妙に違います。種類によって、特定の領域にうまくいかない固定的なパターンをつくりだして、その人特有の「行き詰まり方の癖」をつくったりもします。

思い込みの中で根強いものは、信念(ビリーフ)として研究されており、その中で発見されているものには、「イラショナルビリーフ」「脚本分析 禁止令」などの例で調べれば、わかるでしょう。これらネガティブな内なる思考は、自己評価やセルフイメージを下げることはあっても、上げることはありません。

育った過程で、誰かから繰り返しに何かネガティブなレッテルを貼られたり、指摘されつづけたりしたことなど鵜呑みにし、今も心の中で反すうしつづけているような場合も含みます。心の中で反すうしている自覚がなければ、無意識下でネガティブな言葉が無限リピートされている世界です。

その言葉がセルフイメージもつくっていますが、忘れているため本人は自覚しにくいのです。自覚しにくくなっていると、下記のような不都合が起こりやすくなります。

→心の中の言葉が原因なのに、うまくいかない原因が他人や社会にあるように見えるor思えるor確信している

→社会や他人は簡単には変えられないので、現状を変えるのは難しいor無理、という思い込みが深まる

→「変えよう」とか「変えられる」という発想を持たなくなる

→諦める

こんな風に、原因は自分ではなく外部や他人にある、という認識は変わりにくく、自ら現状を維持しやすくなります。

これがさらに、先へとつづけば、

→強い先入観というフィルターを通して現実を見ているので、その思い込みに沿っている物事や出来事の結果が、見えやすく聞こえやすい

→フィルターを通して証拠が集まりやすいため、「ほら、やっぱり」という風に、その思い込み/先入観は強化される

→ますます思い込みが正しく思えて、納得感や確信へとつき進む

と、固定しやすいしくみになっていて、人格形成にまで影響しかねません。

現象として知らない限り、また、自分の心の中で起こっているのが原因かもしれない、など疑うことがない限りは、気づきにくいものなのです。無意識の思い込みが、心の中に知らず知らず存在しているとしたら、あなたの限界突破に不都合です。種類や確信の深さによっては、人との関係の築き方、モチベーションなど基本的な能力発揮を制限させることも可能です。

朗報は、ここまで無事生きてきた、ということは、私達の持つ思い込みはネガティブだけでなく、ポジティブで望ましいものの方が、圧倒的に多いという事実。そうでなければ、社会に秩序自体が存在せず、あなたは今これを読んでいませんので。

つまり、スキルで調整する必要のある思い込みの量は、あなたの目的達成という全体から見れば、ごくごくわずかです。ゴール達成を邪魔する分だけの思い込みを、その都度、必要分だけ解消できれば、それでいいのです。

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