📘「思い込み感情さん2-11の、見え方、聞こえ方、感じ方を調整する手順と考え方について解説しています。

想像上のリモコンを使います。自分が使いやすいリモコンを利き手に握る想像をしましょう。このリモコンには、視覚(見え方)、聴覚(聞こえ方)、体感覚(感じ方)の最小単位を操作できるボタンが備わっています。リモコンには十分な電池があり、プラス(+)、マイナス(ー)、ミュート(消音)、停止(ストップ)ボタンがあることを確認しましょう。

想像の中ではコントロールが自由自在です。リモコンを利き手で握り、2-11の方向に向ける想像(動作でも)をしたら、準備完了です。2-11でチェックした項目(最小単位)を一つずつ+、-ボタンで調整していきます。

2-11の中で「より刺激が弱く、圧倒される感じや圧迫感が少ない情報」から始めましょう。

例えば、例2-4で「重い/軽いはよくわからなかった」という体感覚は、あまり影響がないため、気持ち的に負担なく取り組めるでしょう。まずは、楽な「重さ」から調整をはじめ、弱めていきます。

自分の2-11メモから、いちばん楽にできそうな刺激を選び、-(マイナス)ボタンで弱めます。
・「色」なら薄くしたり濃くしたり透明にしたり別の色へ
・「形」なら小さくしたり形をかえたりなめらかに
・「音」なら音量を小さくしたり音質や音程を変えてみたり
・「動き」なら止めてみたりゆっくりにしたり逆方向にしたり
・「重さ」なら軽くしていく
など、状態を変えていきます。

長押しや連打など、どの方法が効果的か?試行錯誤しながら調整しましょう。例なら、「重さ」の+-のボタンの「-」を押し続けるイメージをして、重さを軽くなる方へ変化させていきます。

刺激を弱める間、主観的な(ネガティブ)感情も同時に弱くなっているか?を、必ず確認してください。

「音」の刺激なら、うるさい音を静かにすれば感情的に楽になりやすいと予測できますが、「動さ」はどの状態が最適か予測しにくく、試行錯誤が必要です。実際に試してみると、予測と違う結果になることもあります。中途半端な調整や、逆効果と思われた調整が効果的な場合もあります。

音量を下げるより上げた方がネガティブ感が減る場合や、色を、薄くするより濃くした方が効果的な場合もあります。形も小さすぎるより、ある程度見えている位が良い場合もあるため、一つ一つ慎重に調整してください。圧倒される感じや圧迫感、不快感などネガティブ刺激が減ると確認できれば、その調整方向が「正解」です。「変化のさせかたが、正しいかどうか」は、「ネガティブ感情が同時に弱まるかどうか」にかかっているため、自分の感情の変化を常に観察しましょう。集中が必要なため、五感刺激を作業する際は一つずつ行い、同時に複数の調整(例えば、「重さ」と「色」を同時に作業する、など)をしないようにします。

刺激を弱めるゴールは「ネガティブ感情が最小になるポイント」です。感情がニュートラルになるポイントを探しながら、リモコンボタンで刺激を調整します。「ネガティブ感情の波」が最小になったら、変更を止めます。

一つ五感刺激の調整が終わったら、次の刺激の調整へと移ります。

例えば、次に負担が軽そうな刺激は「不規則な多面体かもしれない」という「形」の調整だったとして、(調整する順序は主観的感覚で決めてOK)、その多面体の輪郭(線)を薄くしたり消したり、大きさを小さくしたり、距離を遠くへ離したりしながら、刺激感を弱めます。一気に変えようとせず、変化を一つずつ見届けながら進めましょう。

リモコンのボタンを押しても変化しない場合は…
・別の五感刺激を先に(順序を変える)
・もっと細分化できるか確認(最小単位へ)
・電池を入れ替える、リモコンを巨大化
・距離をもっと遠くへと、離してしまう
・とにかく音量をゼロにする

などの方法を試してください。(スキル2が二度目以降なら、最初に「音」を消す(ミュートにする)と楽に進められるかもしれません。)

ひきつづき、例を使って説明します。例での音の刺激が「小刻みの振動音」だった場合、音量を小さくするだけでなく、ゼロにしたり、リズムや音程を変更したりもできます。振動を弱めたり、振動間隔を変えたり、止めることも可能です。

「ゆっくりうずを巻くような動き(例)」は、停止ボタンで動きを止めたり、スローモーションにしたり、渦の回転を逆方向にするなどの調整ができます。「深い緑色(例)」は、明るい色に変えたり、白黒ボタンで色味をなくしてみるなどの方法があります。

刺激の変化が感情にどのように影響するかを確認しながら、生々しさや強烈さの最小を目指して調整していきます。

このスキルを別テーマで何度か使うとしても、2-11の姿や特徴はその都度全く異なります。また、同じテーマで取り組む最中にも意識していなかった刺激が現れてくることもあるため、「最小単位」は、すぐ確認できるようにしておきましょう。

最小単位は下記です。
――――――――――――
視覚の見え方
(色/形/遠近/明るさ/深さ/大きさ/鮮明度/位置/立体)

聴覚の聞こえ方
(音量/音程/テンポ/リズム/音の明瞭さ/距離)

体感覚の感じ方
(動き/重さ/圧力/温度/感触/質感/輪郭/位置/強さ/方向)
――――――――――――

新たな刺激が現れた場合も、意識できているものは全て弱めてください。

刺激2-11の「強烈さ」「生々しさ」がなるべく少なくなるよう、必要十分な変更を加えます。

脳は、場面映像を記憶する際に、色/形/遠近/明るさ/深さ/大きさ/鮮明度/位置/立体/音量/音程/テンポ/リズム/音の明瞭さ/距離動き/重さ/圧力/温度/感触/質感/輪郭/位置/強さ/方向などを、別々に保存しています。記憶を引き出すときは、バラバラに保存されているのをその都度合成し使用しているため、調整の余地があります。この特性を活かし、バラバラに意識的に変更するのがスキル2の狙いです。

最初は簡単に思えても…
・複雑に感じたり
・意味がわからなくなったり
・作業のどの時点かわからなくなったり
・面倒になったり
・途中でやめたくなったり
などがあるかもしれません。

扱う内容にネガティブ感情が含まれるため、楽しい作業ではありませんが、感情の構成要素に注目するなら、色、形、音、動き、重さなど、一つ一つには意味がありません。最初は2-11に圧迫感や圧倒される感じがあっても、最小単位に丁寧に焦点を移していくなら、不快感を最小限にしながらやり遂げることができます。

「観察で、最小の単位を見極めること」が重要です。

それぞれの要素をどの順序で、どのように調整するかに労力をかけ、ネガティブな影響力が弱まるまでつづけます。

それぞれを、どの程度の調整で終えるか?は、ご自身の「主観的な感じ方」「納得感」の判断を頼りにしていきます。必要であれば、休憩したり、気分転換を挟みましょう。

このスキル2は、数十分で完了することもあれば、途中で中断して後日再開することも可能です。外出先の方がやりやすい場合もあり、慣れれば通勤時間などにも実践可能ですが、いずれにしても自分のペースで進めましょう。

途中で中断する場合は、メモを残して再開しやすいようにしましょう。全ての刺激が弱まり、嫌悪感/不快感/圧迫感/圧倒される感じなど感情の波が静かになったら、作業完了です。

次のステップ
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