📘このステップでは、1-5-2で言語化した「価値」を、実際に感情として意識的に味わうことをテーマに進めます。1-5-2で表現した感情を、便宜上ここでは「価値達成感情」と呼びます。
【感情を意図的に味わう】
まず、1-5-2でメモした価値達成感情を、あえて意識的に・意図的に体験してみましょう。
例:
価値1-5-2が「信頼」だった場合…
→「信頼している」「信頼できている」という感覚を「今この瞬間に体験しているかのように」感じ取ってみましょう。
目を閉じれば視覚情報が遮断され、より深く感覚に集中できるでしょう。
【今、どのくらい感じられているか?を数値化】
次に、その感情1-5-2を今、どの程度感じられているか?を0~10点で数値にしてみましょう…
・0点:まったく感じられない
・10点:完全に感じられている
ここで重要なのは、「1-1課題に対する達成度」ではなく、あくまで「今この瞬間、どの程度1-5-2の感情を感じられているか」という主観的な体感値の方です。
【さらに1点上げるためにできることは?】
現状の数値を出したら…
「感情1-5-2の数値があと1点高い自分は、何ができていて、何が達成できていて、何が完了できている自分か?」を、想像してみましょう。
自分にこう問いかけてみてください…
「この感情をあと1点高めるには、今何ができる?/何をすればいい?」
[1-6]
例:「信頼」という感情を2点から3点へ上げたいなら…「あと1点、“信頼”を高めるには、今から何ができる?/何をすればいい?」
こんな要領で、自分に問いかけてみましょう。答えとして浮かぶのは、きっと自分がよく知っていることです…
・◯◯すると決める
・◯◯について調べる
・◯◯に連絡をとる
・◯◯を片付る
・◯◯を変更する
・◯◯にスケジュールを入れる
など、普段、頻繁に気にしてはいても、後回しになっていたことや曖昧なままにしていたことが思い浮かぶかもしれません。
ここでしているのは、「価値を基準にした優先順位を見直すプロセス」です。ないがしろにしていたことや、なかなか決定できていなかったことを頭の中で整理する作業になります。必ずしも行動する必要はありません。数値が上がるなら心の中で「決める」だけでも構いません。
「例:4点 → 5点」など数値の流れを都度メモしつつ「5点になった未来の自分を想像しながら」「→」の中身を考えるようにすると、スムーズでしょう。
・すぐに取りかかれる
・短時間でできる方法
・適切な選択肢
など、答えとして出るはずです…
・普段やっていることを、優先順位を変えやってみるだけのことも多い
・「秒」「分」でできる簡単なことであることが多い
・白黒ついていないところを見極めるだけ
・すぐにできそうなことは実行してしまいましょう
ですが、無理に行動する必要はありません。ちょっと決断を加えるだけですので、感情の変化を確認してみてください。
【数値が上がったら次の1点へ】
感情の数値は、1つの決断や行動で1点以上、上がることもあります。
例:
・3点 → 5.5点 完了!
・5.5点 → 6.5点 完了!
このように、「あと1点上げるには?」という問いを繰り返し、10点満点まで満たしましょう。
感情は。自分の選択によって変えられます。
【10点より「さらにその先」をイメージしておく】
10点に達したら、「もっと先」を、イメージしてみてください…
「この感情が20点になったら?」
「…その100倍になったら?」
「その1000倍になったら」
「…無限になったら?」
と、想像してみるだけで構いません。この「価値達成感情を無限に…」が、本当にできたかできないかの確信はないにせよ、想像なので一瞬でできるはずです。イメージの世界に限界や制限はありません。
こんな風にして、1-5-2を最大限に増やしますが、価値達成感情を増やせれば増やせるほど、後の手順がスムーズになります。方法として多少の無理矢理感はありますが「無限」の想像ができたら、下記ポイントも確認しましょう…
・どんな「感覚」?
・どんな「気持ち」?
・どんなものの「見え方」?
・どんな「聞こえ方」?
・どんな「雰囲気」?
これらのポイントを意識しておくと、記憶に残りやすく再現性が高まるでしょう。
1-6は完了になります。ポジティブ感情を増やせたと同時に、価値の力も同様に高まりました。
補足:
なお、1-1のモヤモヤや行き詰まり感は、自分らしい価値を大切にできていない(ズレた)から生じていた感情です。このズレを、自分の価値と一致させて新しいセルフイメージとして統合するのが1-13で、スキル1の最終的な効果を確認するのが1-14です。
※重要※
1-14まで進める間「価値達成感情1-16の最大値」を保つよう意識しましょう。「例:信頼」だったら、意図的に「信頼感で満たされた自分のまま」1-14まで手順をすすめてみてください。
1-14までの間に中断することがあるなら、1-6に戻ってそこから再開すれば問題ありません。
(本書で言う「セルフイメージ」とは。自分で自分に対して持っているイメージ、という意味で、特別な定義はありません)。