📘セルフトーク(内なる思考)の例として、
「自分にはできない」
「そんなの無理」
「してはいけない」
「それは良くないことだ」
「自分にはふさわしくない、関係ない」

を挙げましたが、ほとんどが無意識で、プライベートなものです。

「自分らしくあってはいけない/自分らしくいることはできない」
「人生を楽しんではいけない/人生を楽しむことはできない」
「自分で決めてはいけない/自分では決められない」
「変わってはいけない/変わることはできない」
「達成してはいけない/達成できない」
「成功してはいけない/できない」

などの、ゴールを阻んでいそうな思い込みの例も、すでに挙げました。

調べやすいところで、「イラショナルビリーフ」「脚本分析 禁止令」を、参照情報としても挙げました。

やり方の一例として、ですが、上記のような思い込み例を調べて羅列し、スキル2を使って片っ端から解消するという方法も考えられます。ただし、調べて羅列したものでは個別性がなく、的外れになる可能性もあるので、効果は疑問です。仮に、自分の思い込みであったとしても、ひとつひとつ解消しようとすれば膨大な時間がかかって非効率です。

達成したいゴールをさえぎる内なる思考(ネガティブな言葉)を、ピンポイントで特定して、その都度必要分だけ解消するのが重要です。繰り返しになりますが、結果を出すために必要なのは、思い込みを解消することよりも、ゴール達成に向けた実際の行動です。

ネガティブを解消すること自体が目的になってしまうと、現実への対応力は下がり、結果につながらない迷走状態になってしまいます。仮に感情の片寄りをすべて解消できたとしても、ゴールや目的がなければ、糸のきれた凧のようにフワフワ漂うことになるでしょう。フワフワ漂うのではなく、自分の在り方を明確にするプロセスが大切です。

自分でネガティブとポジティブの境界を見極め、転換点を見届ける必要があります。ネガティブ感情は、適切なプロセスで意識化するなら無理なく自然にポジティブ方向へと向かいます。すべてを意識化し捉え方を変えれば、ネガティブな性質を維持しつづけられません。逆に、すべてを認識しない限りは、いつまでたってもポジティブな変化は起こりません。「すべて」の範囲はどこからどこまでか確認し、ポジティブな変化が起こったことも確認したら、確信だけが記憶に残っていくようになります。その積み重ねがセルフイメージの変化を助けます。

スキル2では、前半でネガティブ感情を伴う思い込みに焦点を当て、ポジティブ方向への転換点を見極めます。ただし、このプロセスはメンタルを荒らさない健全な方法です。

限界突破のためのゴール設定についての解説はスキル5、6で解説しているため、その説明は少し後になります。

[~ゴールを決めるときの間違いと対策~]の冒頭で前述しましたが、あなたがそれを見聞きした瞬間に、「自分にはできない!/そんなの無理!/してはいけない!/やってはいけない!/自分にはふさわしくない!/自分には関係ない!」などと反応してしまうような、「他人の素晴らしい価値観/行動基準/ゴール、その人物像」「憧れ/嫉妬心を抱くような対象」などに出会ったとしても、それは、自分のゴール設定の参照情報にはなっても、参考情報にはなりません。

なぜなら、そんな「自分にはできない/そんなの無理/してはいけない/やってはいけない/自分にはふさわしくない/関係ない」といった反応の中には、単なる思い込みだけではなく「自分はその価値観が嫌い/好きではない/自分の望みとは違う/理解できない」という拒絶が含まれていることがあるからです。

世間で称賛され、もてはやされている価値観でも、自分らしさとはかけ離れていることはあり得ます。意識はウソをつきますが、感情は正直です。次のような問いへの答えを、私たちは正確に言葉にするのが難しく、つい感情が先立ってしまいます。
・他人の価値基準が、自分の個性にどの程度合っているのか、または、合っていないのか?
・どんな違和感や拒絶感が、どの程度、どういう風に現れるのか?

もし、これらの違和感について理路整然と説明や反論ができるのであれば、感情の波はそもそも必要になってこないはずなのです。

[~思い込みののり越え方~]で前述した、「ゴール設定や達成行動に関連が深いと思われる《ゴールを阻む思い込み 例》」や、「イラショナルビリーフ 例」「脚本分析 禁止令」などを調べると、様々な情報が得られます。ですが、「どの思い込みを解消すれば、自分の確実な限界突破へ効果を発揮するのか?!」という問いに対する答えを、事前に確かめることはできません。

特定すべきは、自分の心の中にある「限界突破ゴール設定や達成を妨げる、ピンポイントで解消すべき思い込みのフレーズ(言葉)」です。そのためには、すでに明確になっている「ポジティブな解決像の道筋」に従う方法をとる必要があります。なぜなら、持っているヒントの方向性に沿えば、整合性が保てるからです。

前置きが長くなりましたが、最初の作業は、「限界突破ゴールを阻む思い込みの言葉/フレーズを特定すること」です。

まず、「1-7メモ」を参考にしつつ、「1-1像」を思い出して観察しましょう。

「2-0」では、ポジティブ超出世のゴールを、仮設定しました。では、「1-7自分」は、その「2-0達成」を阻む、どんな思い込みを持っているのか?下記質問を参考に、考え答えを探ってみてください。

「どんな思い込みをしている?」
「何を、深く思い込んでいる?」
「何を、決めつけているのかな?」
「何を、心に決めて/決断している?」
[2-0]

このとき、「1-7自分」の心を読み取るように分析します。ただし、特定するのは、「私は○○な人間だ」といったセルフイメージや自己評価ではありません。「○○できない」「○○してはいけない」など、能力/行動に関する思い込みを見つけ出します。

まずは語尾から特定します。

1-7を見つめ、2-0を意識しながら「●●できない、●●してはいけない」と、口の中で繰り返しつぶやいてみましょう。

「●●できない」 or 「●●してはいけない」どちらの語尾がしっくりくるか?どちらが違和感を覚えるかを、区別します。言葉の響きや、直感、身体の感覚、鮮明さなどにアンテナを立ててみてください。納得感の高い方が自然と残るので、消去法でしっくりくる語尾を採用しましょう。

採用した語尾(●●できないor●●してはいけない、のどちらか)を、繰り返し呟きながら、「1-7自分の達成」を阻んでいる「思い込みフレーズ」を特定します。

このとき、未完成の文章をつぶやくことで、脳の空白を埋めようとする性質を活用します。考えて答えを出すというよりは、答えが自然と湧いてくるのを待つ感覚でOKです。

1-7と2-0を俯瞰しながら、「1-7自分になり切る」つもりで進めると、よりスムーズです。1-7自分の心の声に耳を傾け、言っていそうな言葉を感じ取ります。

特定できたら、その言葉/フレーズを、「2-1」にメモします。

思い込みを解消し、2-17の段階に進むと、最初に自分が何に悩んでいたのか、本当に思い出せなくなることがあります。2-1メモは必ず保存しておくことをおすすめします。

次のステップ
📘 第2章:スキル2
「[2-2]納得度/リアルさの度合いは?」へ ▶▶進む

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