この記事でわかること:価値がモチベーションを持続させる
- モチベーションの源泉は、自分らしさの中にある
- 楽しい/好き、といった感情は価値に沿っているとき自然と湧いてくる
- ポジティブ感情を続かせる「能力への確信」と「自己評価」を満たすのがスキルの目的
📘コーチングコンセプトの根幹には、「教えない」「引き出す」という考え方があります。「教えないで引き出す」としても、「教えて引き出す」としても、最終目的は相手のモチベーションを維持・促進することです。
モチベーションは自分の感情によるものなので、コツさえつかめば自分自身で管理し、促進もできるものです。モチベーションが高まれば、達成のための行動は自然と起こりやすくなり、行動量が増えれば結果も出やすくなります。
本書で扱うモチベーションとは、「楽しい」「好き」といった、自分らしさを支える感情を指します。
本書のステップを一通り実践すれば、ゴールに関する情報がこれまでよりも見えやすく、聞こえやすくなるはずです。なぜそうなるかというと、設定したゴールが本音で望むものであれば、「楽しい」「好き」といった感情が増えていき、感情が変わることで、物事の捉え方も変わるからです。
このポジティブ感情が、望む結果へ向かって思わず行動してしまう原動力になります。
欲しい結果を手にした「その先」では、経験が大きな意味を持ってきます。「あれほど憧れていたけど、実現したらとそれ程でもなかった」「達成したら、予想以上にうれしかった」など、実際の経験を通して自分独自の「価値」に対する判断力が上がり始めます。
何に価値を感じるかは、その人の個性であり「自分らしさ」です。
実際の経験から学んだ判断基準のほうが、単に見聞きしたり教わったりしただけの知識よりも、血になり肉になり自分の中に根付いていきます。私がこれまで出会った、常に成長や成功を目指し続ける人たちも、単なる知識の詰め込みではなく、「自分」を起点に行動していました。身勝手という意味ではなく、「自分で自分をリードしている」ということです。
彼らは、自分の内的な基準や感覚を大切にし、自分のことは自分で決めるという、健全でごく当たり前のルールを守っているように見えました。そして、その判断の基準になっているのが、「自分らしいポジティブな感情」です。ポジティブな感情にはさまざまな種類がありますが、共通しているのはその人を駆り立ててくれる原動力となっている点です。自分の価値観に忠実にそっているからこそ湧き上がるものです。
例えば、純粋に「楽しい」「好き」と感じることであり、自然と興味や関心が向かう方向性のことです。誰かに猛反対されたり、場合によって敵をつくってしまうとしても、それでも「やりたい」と思えること。好きなことならリラックスでき、能力発揮もしやすくなります。無条件に楽しいなら、フットワークも軽くなります。価値に忠実に沿うなら、たとえ気の進まない仕事であっても、ついついやり遂げてしまうようになるでしょう。
ポジティブな感情を持続させるには、「自分らしい価値(観)に沿った、自分のゴールを持つこと」を、つづけることが大切です。価値に沿ったゴールであれば、必要なときに、必要なことに、必要なだけ、集中できるようになります。
ポイントは、次の2つの状態をつくることです…
・「ゴールを達成する自分の能力への確信」
・「そのゴールが自分にふさわしいという自己評価」
これらが満たされている状態をつくることで、ポジティブ感情の維持を目指します。