セルフイメージは結果を左右している重要な要素のひとつです。
自分で自分をどう思っているか?そして、実際に何に価値を置いて生活しているかによって、モチベーションや行動も違ってきます。
この記事では、セルフイメージの本質、高め方、考え方について、わかりやすく解説するよ。
セルフイメージとは?
セルフイメージとは、「自分に対する思い込み」のことです。
自分の能力、考え方、外見など、自分に対して持っているイメージのこと。
・自分をどのように見ているか?
・どう認識しているか?
に関係します。
もう少し広い意味だと、社会的役割や価値観などの要素も含むことがあります。
これらの、
「自分に対する思い込み」
がもとになり、その人が、価値をどう受け取るか?を決めているのです。
価値の受け取り方は、セルフイメージに深く関係していますよ。
どんな価値を、どれくらい受け取るか?受け取らないか?などの、判断基準になっているのです。
セルフイメージは「器」のようなもの
セルフイメージは、器に例えることができます。
器の中には、
・自分にとっては当たり前
・これが自分にとって普通だよ
というものが、常に入ります。
「自分は年収300万の人間だ」
という器を持っている人と、
「自分は年収10億だ」
という器を持っている人を例にします。
両者は、「やっぱりそうだ」と思うタイミングが違うのです。
両者が、宝くじで多額の現金を手にしたとします。
年収300万の器の人は、時間とともに300万の生活に戻ってしまいます。
年収300万の器の人は、300万の生活に戻ったときに、
「やっぱり自分は300万の人間なんだ」
と、納得します。
年収10億の人は、億の生活レベルが当たり前のため、宝くじのお金を減らすことはありません。
そして、
「やっぱり自分は億の人間なのだ」
と、確信を深めます。
セルフイメージは、現実の認識の仕方に差をつくります。
10億はさすがに達成していませんが、私にも似た経験はあります。
素晴らしい洋服を買っても、そういうときに限ってすぐに汚してしまったり、何かの拍子にダメにしてしまったりするのです。
それでもめげずに買い続けますよ。
セルフイメージの高い人とは?
セルフイメージの高い人は、
・自分の考え方
・自分の感情
・自分の行動
に対して、ポジティブな認識を持っています。
自分に対して安心感を持っており、いつも、自分のことは自分で決める。
だから、モチベーションも維持しやすい傾向にあります。
きほん、自然体
セルフイメージの高い人は、人の評価にそれほど左右されていません。
だから、普段からリラックスの自然体です。
自分の弱みや苦手なことも受け入れている。
一方で、自分らしさを優先したり、自分のペースをまもれる。
そのため、フットワーク軽め。
人の目には、余裕があるように映るかもしれません。
自然体とは、ただ精神的な余裕があるだけでできることではありません。
自分らしさを普段から大切にすることで、維持できるものです。
自分らしさとは、価値観のこと。
自分をポジティブな行動に駆り立ててくれる、モチベーションの源泉のことです。
価値観は、自分の生活や仕事、人生全体でも、
「何を優先するか」
の指針になっているものです。
自分の限界に挑戦している
セルフイメージの高い人は、
・自分にはゴールを達成する力がある!
・自分はデキる人間(男・女)だ!
と、信じています。
自分の限界を受け入れながらも、一方で自分の能力を信頼してもいます。
こういう人は、結果にばかりこだわりません。
ゴールまでのプロセスを楽しんでいます。
だから、失敗してもあまり深刻なダメージを受けません。
失敗しても楽しいので、またやり直せばいい、という認識です。
達成までのプロセスが楽しく、楽しいと集中力もあるので、結果は出やすい。
結果が出ると、次の挑戦へのモチベーションも上がる。
だから、無理したり我慢したりもせずに、気づいたら限界を突破している。
その経験が、限界に挑戦しつづけることを可能にしています。
自己評価がポジティブ
ダメなところや、できないことを数えるのが減点評価。
良いところ、できることを数えるのが加点評価です。
セルフイメージの高い人の、ものの見方は、加点評価!
自分への見方も、普段から加点評価。
できないことや、したくないことに焦点がありません。
いつも、
・できること
・やりたいこと
に焦点が合っています。
だから、自己評価は高く保たれるのです。
人間関係が良好
セルフイメージの高い人は、自己評価が高い。
加点評価の認識が、普段からできている。
だから、他人に対しても加点評価することが得意です。
ポジティブな面に目が向いていると、人とのトラブルは起きにくい。
思っていることは、口に出さなくても他人に伝わるものだからです。
だから、自分が何を考えているか?は注意した方がいいですよ。
相手が悪いと思えるようなことでも、自分の思いがそもそもの原因になっていることは多いもの。
気をつけたいものですね!
セルフイメージが高い人のまわりには、足を引っ張ったり、邪魔をする人はいません。
いるとしても、理解者や応援してくれる人のつながりの方が強い。
だから、セルフイメージが高い人の人間関係は良好に保たれています。
ゴールは自分で決める
セルフイメージが高い人は、
・自分が優先したいこと
・自分らしい価値観
を、理解しています。
「そこ」から反れない選択をすればうまくいくというパターンを、経験から知っています。
成功体験も、たくさん覚えています。
無意識下に、うまくいくパターンをつくる判断機構が働いています。
そして、自分で決める範囲が広い方が、結果が出たときの喜びも、成長も、大きいということも知っている。
だから、人が設定したゴールや、会社のゴールもよく吟味します。
他人のゴールや、会社のゴールを、丸呑みにしません。
自分のゴールとして、咀嚼し直しています。
つまり、自分のゴールを自分で設定しています。
達成のプロセスを楽しんでいる
セルフイメージの高い人は、成長が好き。
だから、学ぶことが楽しい。
学びが好きなので、達成にこだわったり、結果だけを目指すことは、しません。
楽しい、とか好き、という感情は、それ自体満足感が高く、それだけで目的になるからです。
実際に、ゴールを達成するときは一瞬の出来事で、そこまで嬉しくはないものですよね。
遠足前日の準備が「超楽しい」のに対して、遠足当日は「普通に楽しい」というのにも、似ています。
想像の世界って、ポジティブ感情をつくるのに最適なんです。
簡単だし、それを増やしたり固定したりする技術を使えば、モチベーションも増えていきます。
モチベーションが安定している
モチベーションは、下がったり上がったりするのが普通です。
もともと、have toの意味を含んでいる言葉だから。
だから、別に下がってもいいんですよ。
下がったときに、厳しい自己評価をするから行き詰まるということ。
私も若いころ、自分に厳しすぎて、逆に3日坊主に拍車をかけてしまっていました。
自己評価って、ほとんどが無意識の判断からくるもので、ほぼ反射。
だから、意識的に変えようとするなら、鉄の意志と膨大な労力が必要になってしまいます。
セルフイメージの高い人は、モチベーションが下がってもあまり気にしません。
自己評価が常にポジティブで、自分を信頼しているからです。
下がったあと、次に、どう上げるか?が重要だと知っているからでもあります。
セルフイメージの高い人は、いつもやりたいことについて考えます。
モチベーションが下がったら、次のゴールについての、新鮮で膨大な情報を集めにかかります。
モチベーションは、「今ここ」の瞬間に宿るもの。
だから、自分のゴールに関わるけれどまだ知らないことを知ること、体験したことのないことを体験することが大事です。
セルフイメージの低い人とは?
セルフイメージの低い人は、
・自分の考え方
・自分の感情
・自分の行動
に対して、ネガティブな認識を持っています。
自分に対する信頼度が低く、自分のことを自分で決めるのにも勇気がいります。
そのため、モチベーションも不安定になっています。
無理や、我慢をする
セルフイメージの低い人は、自分らしくない価値基準や、他人のゴールを優先してしまっています。
誰かの期待に応える努力もしています。
だから、
・無理をする
・我慢をする
といった状態に陥ります。
これでは、モチベーションもつづきません。
自分の価値観を優先した方が、モチベーションはつづき、ゴールも達成され、人の役にも立てるのです。
自分のゴールを達成しながら、会社や、社会やコミュニティのゴールも同時に達成する方法もあるのです。
誰かの期待に応えるのではなく、自分のポジティブ感情に従うのが、正しい道です。
誰かの期待に応えるためだけに、存在しているわけではないですし。
誰かの期待に応えるためだけに、生まれてきたわけでもないですので。
自己評価が安定しない
セルフイメージの低い人は、自己評価が上がったり下がったりと、安定しません。
他人や、外部の評価が気になるからです。
他者からの評価は大切ではありますが、優先すべきは、自分らしさ。
自分らしさを支える基礎とは、価値観のことを指します。
自分の価値観は、ほとんどが無意識。
その見つけ方を、学校では教えていません。
だから、真の価値観を自覚している人は、少ない。
何度もゴールを設定したり、イメージしたりするなら、ある程度は自分の傾向がわかってくるでしょう。
ゴールを導いているのも、価値だから価値だからです。
価値はモチベーションの源でもあるので、自覚できれば、自己評価は安定に向かいます。
価値というぶれない基準を手に入れたら、want toをもとに選択や行動をする。
そして、新しい成功体験を積み上げて、過去のうまくいかないパターンを上書きする必要があるのです。
成功パターンで上書きしても残ってしまう不安定さは、信念の書き換えで解消できるなら、なお良いでしょう。
人間関係で、悩む
セルフイメージの低い人のまわりには、その人の自己評価に同調する人が集まっています。
「いや、そんなことはない。あなたにはもっと素晴らしい能力や素質がある」
などと言い続けてくれる人は、そう簡単には現れません。
セルフイメージを高めようと努力を始めようものなら、足を引っ張ったり、じゃまをし始める人もいます。
でも、相手が悪いのではありません。
自分で持っている自己評価に、共鳴してくれているだけだからです。
低いセルフイメージを越え、変化することは、まわりの人のためにもなること。
成長することは、望ましい、良いことです。
ネガティブな他人の反応は、実は、気にする必要のないものです。
ゴールを自分で決めない
セルフイメージの低い人は、自分の未来やゴールを他人に委ねています。
委ねるのも方法のひとつではありますが、セルフイメージを高めたいなら、委ねるのは逆効果。
ゴールは自分で決める方が、効果的です。
自分の未来のことは、自分で決める。
その場合、必ずwant toのポジティブな感情をもとにゴールの世界をイメージしましょう。
仕事、プライベート、お金、人間関係、趣味など、様々な分野で設定します。
ゴールは沢山あっても、それぞれが矛盾していても問題ありません!!
その方が、モチベーションの総量を増やせるからです。
セルフイメージを高めるには、ゴールを常にイメージする、という簡単な方法からスタートします。
達成までのプロセスが、つらい
セルフイメージが低い人の目標達成のプロセスは、楽しくないかもしれません。
達成したとしても、さほど嬉しくない、とか、達成されないで終わることも。
自分らしさや自分の価値観、自分の感情を優先するゴールを設定していないからです。
自分の価値観にそっていないと、無理をして頑張りすぎたりして、いずれモチベーションを枯らしてしまいます。
頑張っているのに成果がうすい、という状況にもなり得ます。
Want toのポジティブ感情にしたがってゴールを設定すれば、こんなことは起こりませんよ。
達成がすべてではなく、むしろプロセスの方が楽しい、そんな経験になっていくはずです。
セルフイメージを高めたいなら、ゴールも高める必要がありますよ。
モチベーションが、下がる
セルフイメージの低い人は、自分らしさと「ズレた」ゴールを持っているため、モチベーションが維持しにくい。
モチベーションは、上がったり下がったりするのが普通です。
ですが、セルフイメージが低いと、下がる、というよりは「枯れる」瞬間が定期的にやってきます。
方向性を変えれば良いだけですが、価値観を自覚していないと、うまくいく指針は持てません。
枯れても、また元に戻るなら良いのかもしれませんが、違和感が年々大きくなるようなら対策しましょう。
対策は、シンプル。
自分が心から望む未来のゴールを想像することが、スタートです。
イメージは消えやすいので、何度もイメージして、記憶に残りやすくしましょう。
リアルな感動が起こる深さでイメージが成功すれば、なお、記憶に残りやすくなります。
これだけでも、ある程度なら価値観や思い込みは変化しますよ。
刷り込みの価値観で生きている
セルフイメージの低い人は、自分のものではない価値観やゴールを、多めにインプットしてきてしまいました。
自分らしい価値基準を、取り戻す必要があります。
インプットしたのが自分なら、手放すことも自分でできるはずです。
ですが、価値観の固定の多くは子どもの頃に完成してしまっていて、忘れています。
だから、意識的に思い出して、吟味しなおす機会が必要です。
セルフイメージを形成するものとは?
記憶
セルフイメージをつくっているもののひとつは、過去の経験や記憶です。
記憶は言葉と結びついており、言葉は信念を形づくっています。
セルフイメージは、自分に対する思い込み(信念)の束のこと。
信念は、現実を認識するときのフィルターになっているものです。
例えば、
・自分は挑戦できない
・自分は挑戦してはいけない
といった信念を持っている人の場合なら。
こういう人は、いざ自分に挑戦すると、ひとつの失敗でとても落ち込んだり、あなたには無理だと他人から言われたりすれば、
「やっぱり、自分はそうなんだ」
と、確信を深めることになります。
信念を通じて、過去の記憶と照合するので、信じ込みが強まる仕組みになっているのです。
人は、ありのままの現実を体験するのでなく、ほとんどが過去の記憶と今を照合しながら現実をみています。
他人からの評価
人から指摘されたり、決めつけられたり、何度も言われてきたようなことも、セルフイメージを形づくっています。
他人の判断基準をインプットしてきたものが、今も自分に影響を与えています。
自分を評価する基準をポジティブへ向けるために必要なのは、下記の視点です。
・自分の価値観やゴールに関係するか?
・自分の価値観や、目的、ゴール達成に役立つか?
この2つの視点で、現実を観察するように心がけましょう。
ただし、ここで言うゴールとは自分が素直に喜べる、心から望むものにしましょう。
くれぐれも、会社の目標や数値目標にしないように。
それだけでは情報が少なすぎるのです。
感動があり、行動に駆り立てられるようなゴールはもっと高いゴールで、密度が濃いものです。
そのゴールを設定した上で、上記の2つの認識で過ごせばOK。
重要なのは、客観ではなく主観の視点ですよ。
主観を優位にするためには、何かに没頭するのが早道。
没頭は、フロー状態につながる入口でもあり近道です。
それ自体が目的になるポジティブ感情(好き、楽しい、強みや得意なやり方、など)が鍵になってきます。
比較
他人と自分との比較も、セルフイメージをつくっているもののひとつです。
自分より優れた人と比べると、セルフイメージは下がったかのようになります。
自分より劣っているように見える人と比べると、セルフイメージは高くなったかのようになります。
でも、それは幻想。
絶対的な物差しは、世の中にありません。
水の温度を、温度計を使って測ろうとするなら、何が起こるでしょうか?
温度計を水の中に入れたとたんに、温度計や水の熱が、お互いに移動を始めます。
どちらの温度も最初とは変わってしまう。
だから、正確な計測はできないのです。
だから、大事なのはポジティブな自己評価です。
セルフトークの影響
自分との内面的な対話(セルフトーク)も、セルフイメージに影響を与えています。
ポジティブなセルフトークが多ければ、セルフイメージもポジティブになります。
ネガティブなセルフトークをポジティブに変えるには、ルールがあります。
例えば、普段から怒りっぽく、感謝の気持ちが持てない人が、
「私は、自分を感情を理解して、適切に表現できる」
というアファメーションの言葉を、何らかの納得感とともに、毎日しつこく自分に言い聞かせるなら、ある程度の効果が見込めるでしょう。
ですが、自分の感情も受け止められない状況で、
「私は、愛と思いやりを受け入れ、与えることができる」
といった言い聞かせは、現状の能力とギャップが大きすぎるので、効果が期待できません。
反発的な信念を、変に刺激してしまうこともありますので。
ですが、ゴールというのは、本当はギャップが大きいほどモチベーションにつながるものです。
ゴールとのギャップが大きいときに使うアファメーションは、ゴールに紐付けて、自分でつくるのが効果的です。
価値観
価値観も、セルフイメージを形づくっています。
自分が大切にしている価値観にそって行動できているときは、セルフイメージは高くなります。
例えば、健康を重視している人が、健康的なライフスタイルや習慣を維持できているなら、セルフイメージは高く保たれます。
それが、不摂生をしたり、不健康な行動がつづけば、セルフイメージは下がってしまいます。
自覚している価値観なら、意識的にすれば一致させることは可能ですね。
ですが、モチベーションの源泉となる価値観の多くは、言語化できていません。
この重要な価値を言語化でき、意識的に一致させれば、モチベーションの管理がしやすくなるでしょう。
信念
信念が、セルフイメージを形成しています。
信念は、世界や自分に対する思い込みのことで、つまりは、セルフイメージそのもの、とも言えます。
信念は、セルフイメージを強化しています。
例えば、
「私は、リーダーシップを発揮できる」
という信念を持っているなら、その信念がセルフイメージの根本を支えます。
さらに、そのセルフイメージは信念も強化しています。
「私は成功できない」
という信念を持っているなら、その信念がセルフイメージの基礎になっており、そのセルフイメージは信念も強化しつづけているのです。
こんな風に、お互いに影響をあたえながら、循環しています。
だから、可能な限りネガティブな信念は無力化して、ポジティブな信念に置き換えるのが理想です。
信念は、NLPのリ・インプリンティングや、ビリーフチェンジ、と呼ばれる技術で書き換え可能ではあります。
ですが、これはゴールありきで役立つスキルになりますよ。
書き換えスキルだけに集中する前に、自分のゴールのイメージを固めましょう。